複雑な医療をシンプルにデザインする 
寄稿 小林啓

 インターネットとスマートフォンの普及により,多くの情報にアクセスすることが日常になりました。普段使っているスマートフォンアプリと,病院で使っている電子カルテなどを比べた時「どうしてこんな複雑で見づらい画面なんだろう?」と感じたことはないでしょうか? もし全く感じたことがなければ,それは「医療で扱う情報は複雑なもの」という固定観念に慣れきっているかもしれません。

 実際に医療は常に膨大な情報を扱い,診察や検査の情報を比較して難しい意思決定を下す仕事です。そのため,医療機器や医療コミュニケーションがある程度複雑になることは避けられません。しかし,こうした複雑なデザインをよりシンプルに,より伝わりやすくするための努力はできているでしょうか? たとえ情報が複雑であっても難解さを減らすことはできますし,不要な情報は確実に理解の妨げになります。

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