認知症予防のエビデンス構築,社会実装のこれまでとこれから 対談・座談会 櫻井孝,古和久朋

 日本における認知症高齢者は2012年時点で462万人とされ,25年には実に700万人近くが認知症を有すると推計されている1)。そうした状況を受け,厚労省ほか関係11府省庁によって「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)――認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて」2)が2015年に策定,19年には,認知症施策推進関係閣僚会議による「認知症施策推進大綱」3)が取りまとめられた。

 「認知症施策推進大綱」が掲げる「予防」施策に関しては,フィンランドで行われたFINGER研究4)で,運動,栄養指導,認知トレーニングといった多因子介入により,認知機能低下の速度が緩やかになることが報告されている。日本においても,多因子介入プログラムの効果検証をすべく,多施設共同でのJ-MINT研究5)が進行中だ。J-MINT研究を主導する国立長寿医療研究センターで研究所長を務める櫻井氏,関連研究であるJ-MINT PRIME Tamba研究を率いる神戸大学の古和氏による対談から見えてきたものとは。

参考文献・URL
1)平成26年度厚労科研補助金特別研究事業「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(研究代表者=二宮利治).2015.
2)厚労省,他.認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)――認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて.2017.
3)認知症施策推進関係閣僚会議.認知症施策推進大綱.2019.
4)Lancet. 2015[PMID:25771249]
5)J Prev Alzheimers Dis. 2021[PMID:34585222]
6)熊谷諒子,他.地域高齢者の認知症に関する受診意欲の調査.Dementia Jpn.2021;35(4):638.

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