混ぜるな危険! 薬剤の配合変化に多職種で対策を 寄稿 前田幹広

 医療安全において,薬剤は重要な位置を占める。特に集中治療室(ICU)では,多くの薬剤を投与開始し,その上患者の病態が常に変動するリスクがあるため,薬剤の有害事象は起きやすい。

 ICUにおいては,限られたルートの中で多数の静注薬を同時に投与せざるを得ない状況があり,「配合変化の有無」はルート選択する上で大きな要因のひとつである。そのため,ルート管理を行う上で配合変化情報は必須であり,その情報提供に薬剤師が貢献することができる。2020年に日本集中治療医学会「集中治療における薬剤師のあり方検討委員会」(現在の「薬剤委員会」)が策定した「集中治療室における薬剤師の活動指針」では,「注射薬を投与する場合は,薬効や配合変化,投与速度を考慮して投与ルートの選択を提案する」と記載がある1)。

 配合変化は薬剤による有害事象のひとつであり,薬剤師のかかわりが重要であることは言うまでもないが,医師・看護師などと配合変化の考え方を共有することで,共通言語を用いたチームでのルート管理を行うことが可能となる。本稿では,配合変化の基本的知識を概説した後,多職種で検討可能な対策を紹介する。

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