オープンサイエンス時代の論文出版 [第3回] 「転換契約」始まる 連載 大隅典子

 連載第3回となる本稿では,高騰するジャーナル購読料と論文掲載料(APC)への対応策の1つである「転換契約」について紹介する。

オープンサイエンスが推進される背景
 「インターネットにつながっていたらどこでも誰でも論文を読める」のは,研究者にとって理想の環境であることは言うまでもない。過去2回の記事では「論文」という視座から述べてきたが,知の形態はもはや「論文」の様式を取らないものも多々ある。情報科学分野ではデータを扱うコードそのものが次々と発表され,医学生命科学分野では各種の遺伝子発現情報等がオープンデータとして公開されるなど,その動きは加速度的に増している。

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