オープンサイエンス時代の論文出版 [第4回] OAと海賊とハゲタカと 連載 大隅典子

 昔話から始めよう。筆者が東北大学に着任した四半世紀前はまだ,論文掲載に至る過程で,「別刷り(リプリントと呼ばれる)を何部印刷しますか?」と記された「別刷り請求はがき」が出版社から届いていた。例えば100部の別刷りを手元に置いておき,リクエストがあったらその相手に送るのだ。もしくは,しばらく会っていない師匠や先輩などに「最近発表した論文なのでお時間があれば読んでください」と送ることや,初めて学会で名刺交換をした方に「先日はどうも」とごあいさつがてらに送付することもあった。

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