新春随想 2024年 寄稿 矢﨑義雄,萱間真美,西田修,中込和幸,髙橋政代,自見はなこ,加藤聖子,土肥美智子,一二三亨,阿部幸恵,山本伸一,渡辺知保
新医師臨床研修制度が必修化されてからはや20年が経った。発足当初は,それまでの卒後の医師臨床研修が大学の医局を中心に行われていたことから,大学側の反発が強く困難もあった。しかし今は,大きな支障もなく制度が定着している。
そもそも医師の卒後臨床研修は,インターン制度として1946年に始まったが,学園紛争により1968年に中止されて努力義務となり,その後もカリキュラムなどを制度化することもなく,大学がそれぞれ独自のプログラムにより卒後1年間の研修を行ってきた。しかし,1999年の患者取り違え事件をはじめとする重大な医療事故を契機として,医療に対する国民の安全意識が高まり,医師に対しても視線が厳しくなった。それに応えて,総合的な診療能力を習得するための医師の卒後臨床研修制度が必修化されることとなった。厚労省の下で制度設計を検討する委員会が設置され,私がその座長を務めるところとなった。そして2004年度に新たな医師臨床研修制度が発足した。くしくもこの年は,国立大学および国立病院が独立行政法人化されるなど,大きな改革が実施された年でもあった。
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