レジデントのための患者安全エッセンス [第2回] 患者安全の学び方と実践の仕方 連載 和足孝之

研修医の日常に密接に結びつく患者安全

 何を隠そう筆者も研修医の時,「患者安全(医療安全)」という言葉を聞くと,どうも息苦しく,堅苦しく,罰則や叱責といったネガティブな印象を持っていました(恥ずかしい限りです)。患者安全学は,学問としては歴史が深いようで浅く,1990年代後半に米国医学アカデミー(IOM)が発表した「To Err is Human」という報告書が世界のランドマークとなり,注目されるようになりました。同報告書では,予防可能なメディカルエラーにより推定で毎年4万4000~9万8000人の患者が米国で亡くなっているとされ,政策レベルでの研究の推進や医療関係者の安全活動を活発化させる引き金になりました。結果的に患者安全学は,政策や戦略に導入することを目標に,エラーの原因を特定したり,安全性の指標を開発したりする学問として発展してきたのです1)。最近では,医療が潜在的に持つ有害性から,患者安全学を学ぶことは治療学を学ぶ以上に重要であるとの声も大きくなっています。

参考文献
1)J Hand Surg Am. 2018[PMID:29421067]

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