めざせ「ソーシャルナース」! 社会的入院を看護する [第19回] カリフォルニアドーターがやって来たとき 連載 石上雄一郎

CASE

膵がん患者の80歳女性。抗がん薬治療を行っていたが,本人の身体的負担が強くなり,本人は治療中止を希望されていた。同居し介護を行っているキーパーソンの長男とも病状や治療方針は共有され,残された時間は在宅医療を希望されたため調整を始めていた。しかし,遠方に住む長女が病棟に現れ,「ここの病院のせいで悪くなった。大学病院に転院させてほしい。このまま死んだら訴えてやる」と,全く異なる意見を述べた。大学病院をはじめ,さまざまな病院へ情報提供を行ったが受け入れ先はなく,その間に状態が悪化し,在宅医療も導入できず亡くなられた。

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