応用倫理学入門 [第6回] 幇助死の倫理 連載 澤井 努

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 もしあなたが,不可逆的な病状によって余命6か月以内と診断され,激しい苦痛と日々向き合わざるを得ない状況に置かれたとしたら,どのような選択をするでしょうか。

 医療の進歩に伴い,「生きる」ことの可能性が大きく広がった現代社会において,「死を迎える在り方」もまた多様な形で議論されるようになっています。その一端として,安楽死や自殺幇助ほうじょなどを含む「幇助死」(assisted dying)に関する法整備や制度設計の動きが,世界各国で加速してきました。特に,イギリス下院では2024年11月29日に終末期患者へ幇助死を認める法案が可決され,今後の最終採決や上院での審議に大きな注目が集まっています。

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