子どもの自殺の動向と対策 日本では1 週間に約10人の小中高生が自殺している 寄稿 長沢 崇

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増加傾向にある子どもの自殺

 子どもの自殺が増加傾向にあり,深刻な社会問題となっている。自殺は原因・背景が多様かつ複合的で,複数の要因が連鎖して生じるとされるが,子どもの自殺の特徴として,衝動性が高いこと,原因・動機が不詳である場合が多いこと,特定した原因・動機としては家庭と学校の問題が多いこと,学校の休み明けに自殺者数が増加することなどが知られている。また自殺意図が明確でない,遺書がなく理由や背景の分析が難しい,両親の精神的健康の影響を受けるといった報告もある1)。コロナ禍では家庭環境の変化に伴う家庭内葛藤の増加や,学校環境の変化による居場所喪失との関連について言及された。また「群発自殺」に象徴されるように子どもは他者からの影響を受けやすく,旧来メディアの影響が指摘されているが,急速に普及するSNSなどソーシャルメディアの影響についても検証が必要と思われる。

参考文献・URL
1)若年者の自殺対策のあり方に関するWG.若年者の自殺対策のあり方に関する報告書.2015.

 

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