レジデントのための患者安全エッセンス [第13回] 外科研修時,手術に入るときに安全対策を意識したい 連載 渡谷 祐介
手術では,「準備」と「確認」が最も大切
薄暗い手術室の真ん中に無影灯の光を浴びた患者が横たわっている。そこに術衣をまとった執刀医(主人公)が登場し,場に緊張感がみなぎる。主人公がただ一言「メス」と発すると,壮大な音楽と共に手術が始まる。術中,あるスタッフのふとした所作で大きな出血が起こるが,主人公の非凡な手技で止血を得る。手術が一段落すると「あとはよろしく」と一言残し主人公は立ち去る――。
上記は一昔前の医療ドラマの流れかもしれませんが,手術ほど一般のイメージと現実が乖離した医療行為はないように思います。実際の手術では,患者初診時から始まる周到な「準備」と,術中だけでなく周術期のさまざまなタイミングで行われる「確認」を,多職種連携のもと地道に積み重ねる過程の中で患者の安全を確保しつつ目標への到達をめざします。決して1人の卓越した技術で成り立つのではありません。手術に携わる全てのスタッフが良いチームの一員として行動する意識が求められます。当然研修医の皆さんも大切なチームメイトの1人なのです。
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