臨床におけるエルダースピークの問題点 寄稿 大庭 輝
高齢者に対する不適切なコミュニケーション法
私たちは日常の中で特段意識することなく他者とコミュニケーションを行っているが,会話をするには実は高度な認知機能の活用が求められる。相手の声に意識を向ける必要があり(注意),話の内容を覚える必要もある(記憶)。言葉の背後にある相手の感情を推測することも求められ(社会的認知),相手の話を聞きながら適切な応答を考えなくてはならない(遂行機能)。
加齢や認知症により認知機能が低下すると,他者と意思疎通がうまくいかなくなることが増える。そうした状況にある高齢者に対して,子どもに接するような態度で会話をしている人をしばしば見かけることがある。それは家族介護者のような一般の人のみならず,専門職であっても,である。このような高齢者に対する不適切なコミュニケーション法の一つとしてエルダースピーク(Elderspeak)が知られている。本稿ではエルダースピークとは何か,臨床における問題点およびその対策について紹介する。
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