レジデントのための患者安全エッセンス [第14回] 患者への薬剤の誤投与を防ぎたい 連載 矢吹 拓

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思っているよりもクスリのリスクは多い

 薬剤エラーは,医療安全上,極めて頻度が高いインシデントの1つです。 古い報告ではありますが,米国の前向き観察研究1)では,入院患者のうち6.5%が何らかの薬剤有害反応(Adverse Drug Reaction)を経験していると報告されています。また,近年英リバプール大学の緊急入院患者を1か月間調査したところ,ADRが確認された入院例は18.4%に及び,そのうち90%以上でADRが直接的あるいは間接的な入院原因になったと報告されています2)。日本の医療事故調査制度のデータでは,投薬・注射関連の医療事故は全体の約5%です3)。大変残念ではありますが,薬剤エラーは誰もが直面し得る問題と言えるでしょう。

 

参考文献・URL
1)JAMA. 1995[PMID:7791255]
2)BMJ Open. 2022[PMID:35788071]
3)日本医療安全調査機構.医療事故調査・支援センター2024年 年報.2025.

 

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