応用倫理学入門 [第11回] 遺伝学の倫理 連載 澤井 努

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 遺伝子検査や治療技術の急速な進歩に伴い,医療者だけでなく社会全体が直面する倫理的課題も多様化しています。20世紀初頭,優生学は深刻な差別を招きましたが,最新技術にも同種の危険性が潜んでいると指摘されています。本稿では,着床前診断(Preimplantation Genetic Diagnosis:PGD)と消費者向け(Direct-to-Consumer:DTC)遺伝子検査に焦点を当てます。そして,優生思想や差別の再燃といった従来からの懸念に加え,遺伝情報の商業利用や消費者主導の医療選択など,近年浮上した課題も交えながら検討します。

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