応用倫理学入門 [第12回] パンデミックの倫理 連載 澤井 努

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 2020年初頭に世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2002年のSARS以来,最大規模の公衆衛生上の危機となり,医療従事者のみならず社会全体に多くの倫理的課題を突きつけました。パンデミックは社会構造・経済・政治・文化にまで影響を及ぼす複合的な災害であり,医療従事者には従来の医療倫理に加えて,社会全体の利益と個人の権利・自由を調整する視点,すなわち公衆衛生倫理が求められます。今回は,公衆衛生を最も深刻に揺るがす現象としてパンデミックに焦点を当て,そこから見えてくる主要な倫理的課題を概観します。

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