がん患者のせん妄を看護する エビデンスと臨床の間で [第4回] 非薬物療法による予防ケア――チームで取り組む“せん妄の発症予防” 連載 菅野 雄介

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 せん妄はがん患者において高頻度に認められる精神神経症状であり,その発生は患者のQOL低下,医療安全上のリスク増大,入院期間の遷延,さらには死亡率の上昇とも関連する深刻な臨床課題です。何らかの身体的な要因に基づき急性に発症する注意障害を主症状とし,認知機能全般の障害,意識レベルの変動,精神運動性の変化,睡眠覚醒リズムの障害などさまざまな症状を伴います1)。また,症状の程度が1日のうちで変動し,夕方から夜間にかけて悪化しやすいといった日内変動を伴うことも特徴です。せん妄への対応においては,発症後の治療的介入のみならず,「予防」という視点が極めて重要となります。特に,看護師が中心となって実践する非薬物療法は,せん妄の予防戦略の中核をなすものです2)

 本稿では,がん患者のせん妄における非薬物療法による予防的介入に焦点を当て,2025年9月に刊行された『がん患者のせん妄に関するガイドライン第3版』3)のエビデンスと臨床研究の知見に基づき,チームアプローチの重要性について概説します。

参考文献
1)American Psychiatric Association. Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed(DSM-5). American Psychiatric Press;2013.
2)JAMA. 2017[PMID:28973626]
3)日本サイコオンコロジー学会,日本がんサポーティブケア学会.がん患者におけるせん妄ガイドライン2025年版.金原出版;2025.

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