免疫系は本来,外来の病原体を排除し生体の恒常性を保つよう機能している(図1)。しかし,免疫系が自己抗原に過剰に応答すれば自己免疫疾患が惹起され,逆に応答が不十分であればがん細胞の増殖につながるなど,その機能異常はさまざまなヒト疾患を引き起こす。こうした病態は免疫介在性疾患と呼ばれ,免疫担当細胞の多様な応答により,複雑な臨床的表現型を呈する。これらの疾患の病態解明および創薬には免疫系の理解が不可欠である。これまではヒトとの免疫系の類似性を背景にマウスを用いた研究が免疫学の発展に大きく貢献してきた一方で,近年の技術進歩によって,ヒト検体を用いたゲノム・エピゲノム・トランスクリプトーム解析と,それらを統合したマルチオミクス解析が可能となり,ヒト免疫や免疫介在性疾患のさらなる解明が進む。マウスモデルは依然として重要な研究手段であるが,マウスとヒトの免疫系には本質的な違いも存在することから,マウスとヒトの双方向的な比較解析を通じた免疫学の再構築が求められている。
新年号特集 免疫の謎を解き明かす カラー解説 マウスとヒトの知見が交差する免疫学 寄稿 藤尾 圭志
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