せん妄に対する薬物療法において,看護師には「薬が効いているか」「副作用が出ていないか」「オピオイドの変更が必要ではないか」を見極める重要な役割が期待されています。本稿では,各薬剤の基本的事項を,実臨床における状況および『がん患者におけるせん妄ガイドライン第3版』(金原出版)(以下,ガイドライン)から紹介するとともに,実際のケアにおいて望まれる観察の視点を解説します。
抗精神病薬の適応
臨床でよく使用される薬物は,クエチアピン,リスペリドン,ハロペリドールなどですが,これらは全て保険適用外です。これら三つの薬物およびペロスピロンについては,厚労省から審査上認める旨の通知が出されているものの,それでも適用外使用であることに変わりはありません。そのため,せん妄に対する薬物療法を行う際には,患者および家族に効果や副作用などについてより一層十分な説明を行い,慎重に投与することが必要です。単剤投与を原則に少量から開始し,効果や副作用の評価を行いながら適切に用量を調整していく必要があります。