
手術手技を習得し,安全かつ確実に手術を完遂することは決して簡単ではありません。また,事前のシミュレーション通りにいかない術野の展開や,予期せぬ出血といったトラブルに直面した際,熟練の外科医がその瞬間にたどる思考プロセスやこだわりのポイントは,言語化して学ぶことがなかなか困難です。年間150件の手術を手掛け,このたび書籍『腹部消化器がんに対するがん研流手術のアート』(医学書院)の編集を務めた井上氏に向けて,次代を担う若手・中堅外科医の池畑氏,嶋根氏が,日々の修練や術中判断で生じるリアルな疑問をぶつけ,対話を通じてエキスパートの思考の言語化を試みました。