
日本国内における半月板手術の件数は年間約4万5000件。その約半数を占める切除術は将来的な変形性膝関節症(osteoarthritis:OA)の発症リスクを高めることから,国際的に“Save the Meniscus”(半月板を温存しよう)1)というスローガンが掲げられてきたものの,いまだ有効な温存手段は限られていた。そうした中,2026年5月,患者の滑膜組織を用いた再生医療等製品「セイビスカス®注」が製造販売承認を取得した。基盤となる研究成果2)の発見から約25年。一度損傷した半月板は限られた条件を除き元に戻らないことが常識とされてきた中で,「再生」という選択肢をもたらす画期的な成果と言える。現在も外来診療や手術に入る日々を送りながら,「休日は朝から晩まで論文を書いている」と笑う生粋のフィジシャンサイエンティストである整形外科医・関矢一郎氏がめざす未来とは。