◆患者による代替医療の利用非開示の実態
近年,健康食品やサプリメントに加え,SNS等を介した個人輸入により入手した医薬品の利用が広がっている。一般的に,代替医療の利用について患者は医師へ申告しない傾向にあり,情報共有が行われないことが医療安全上のリスクにつながる可能性が危惧されている。筆者は2010年頃から,代替医療の利用実態や,代替医療に関する医師患者間コミュニケーションに着目して研究を行ってきた1, 2)。
研究では,患者の中には代替医療の副作用を経験しても利用を継続したり,医師へ申告しなかったりする者が一定数認められた3)。すなわち,代替医療等による健康被害は「不適切な利用」だけでなく,副作用が生じても利用を継続し,医療者へ申告しないことにより深刻化している可能性がある。また,健康食品プエラリア・ミリフィカ(植物性エストロゲン作用を持つ物質を含む製品)の調査では,パッケージの警告表示は購入や利用を抑止する一定の効果を有するものの,十分ではなかったことが明らかになった4)。