痛みとせん妄の関係性
せん妄のある患者さんの痛みの訴えは一定せず,不穏の原因が「痛み」か「せん妄」かの判断は困難です。オピオイドの増量は眠気を強めて生活に影響を及ぼしますし,かといって控えすぎれば痛みがせん妄を悪化させるというジレンマがあります。こうした場面は終末期に限らず,がん医療のさまざまな場面で起こり得ます。がん患者さんの疼痛有病率は44.5%(中等度以上は30.6%)に上り1),痛みは不眠や不安を介してせん妄の発症・悪化にも関与します。また在宅では,「別人のようになった」といった患者さんの最初の変化にご家族が気づき,不安を抱えながら対応に当たるケースが多く見られます。
痛みとせん妄のマネジメントにおける共通の目標は,患者さんの苦痛を和らげつつ,その人にとって意味のある形で治療や生活,家族とのかかわりを支えることです。