1.研究に必要な対象者数(サンプルサイズ)
臨床研究では、適切な対象者数(サンプルサイズ)を事前に設計することが重要である。対象者数が少なすぎると、本来存在する差や関連を統計的に検出できず、誤って「差がない」と結論付けてしまう可能性が高くなる。一方、多すぎる場合は、不要なコストがかかるだけでなく、研究参加者に倫理的に過剰な負担を強いることになる。科学的妥当性と倫理性の両面を考慮する必要がある。
探索的な研究では、主に仮説生成や傾向把握が目的となるため、厳密な設計が難しい場合がある。そのため、リクルート可能な人数をもとに対象者数を設定することが一般的である。ただし、可能であれば主要評価項目について、おおよその効果量やばらつきを仮定し、検出力の目安を確認しておくことが望ましい。これにより、結果の解釈の妥当性が高まる。
検証的試験では、事前に明確な仮説を設定し、それを統計的に検証することが目的となる。この場合、有意水準と検出力、期待される効果量(群間差とばらつき)をもとに必要サンプルサイズを算出する。これにより、仮説を適切に検証できるだけの精度が担保される。臨床試験ではサンプルサイズ設計が試験の信頼性を左右するため、事前に慎重な検討を行うことが不可欠である。