第2章 臨床研究の倫理性 
6 被験者の安全性確保 
6-1 安全とは(同意説明文の安全性の記載) 
松本 直樹

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臨床試験・臨床研究(以下臨床試験)の「安全」の概念には(1)「参加者の安全」と、臨床試験の目的としての(2)「治療法などの安全性評価」があり、これらを区別して考えて欲しい。
臨床試験の本質として、参加者が受益者ではなく、未来の他者が受益者として、情報や治療手段の贈り物を受け取ることが目的とされており、現在の参加者には不利益が生じる可能性が否定できない。その不利益を、試験により得られる利益(科学的利益など)が上回るような研究でないと倫理的に容認できないわけであるが、容認せざるを得ない不利益の中にも含まれてはならないものが過度な「被験者の安全性の犠牲」である。つまり、参加者の安全は臨床試験成功に優先する。
重要な項目は2つあり、(A)「研究計画立案の段階から、最大限の安全性の確保に留意する」とともに、(B)「参加者に不利益を理解してもらう内容に、安全性への配慮がどのように行われているかを判りやすく含める」ことである。つまり同意説明文書には「科学性」・「不利益」について理解して貰える記載は当然ながら、そこには安全性に関する内容記載も必要であることを理解して欲しい。

   

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