第4章 関連事項 
2 薬理ゲノミクス 
2-2 遺伝子多型解析とSNPs 
家入 一郎

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 一般に言われる遺伝子多型解析は、DNA配列の個人差を明らかにする技術で、種々の遺伝子多型に応じた解析手技が用いられる。汎用されるDNAシークエンシングでは、DNAを構成するヌクレオチドの配列(塩基配列)を決定し、その情報を解析する。遺伝子多型には、数百から1000塩基に1塩基程度の割合で見られる一塩基多型(SNP、後述)、1000塩基未満の塩基配列の挿入あるいは欠損の変異であるインデル(In/Del多型)、数十塩基から1000塩基を超える大きな配列の挿入や欠損が同じゲノム内で数回コピーされるコピー数多型(copy number variation : CNV)、2~5塩基程度の短い繰り返しの回数が個人間で異なる多型(マイクロサテライト変異)などがある。

ゲノムは、生物を構成するために必要な遺伝情報なので、総ての人類が共有するが、そのごく一部の差異が多彩な表現型を招く。アルツハイマー病、乳がん、糖尿病など、特定の遺伝子変異と関連する疾患のリスク評価が可能となり、定期的な健康診断を受ける、生活習慣を見直すことで、早期発見や疾患の予防に繋がる。また、特定の病気の発症や進行に関連する遺伝子多型の特定は、疾患の原因となるタンパク質や生成経路の特定から新しい薬剤のターゲットの発見に繋がる。

一塩基多型(single nucleotide polymorphism : SNP)は、ヒトゲノム上に300万個存在すると言われており、遺伝子多型の中でも最も多く見られる多型である。DNAの特定の位置に存在することが多く、疾患への罹患性(かかりやすさ)、薬物への反応性(効果や副作用)、体質(体格や肌の色など)など、個人の違いを識別するマーカーとしても注目される。

生物学的機能に与える影響により、サイレントSNP、ミスセンスSNP、ナンセンスSNP、調節性SNPなどがある。各SNPには、世界共通の識別コードであるrsコード(reference SNP cluster ID または rsID)が割り当てられている。

    

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