第4章 関連事項 
2 薬理ゲノミクス 
2-3 遺伝子発現解析とDNAチップ 
家入 一郎

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1990年代後半に微量検体に発現している遺伝子群を網羅的に解析する革新的な技術としてDNAチップ(マイクロアレイ)が登場した。DNAチップは、1cm2当たり数百から数千のcDNA断片やオリゴヌクレオチドをガラスやシリコン基板に固定化したものである。蛍光標識された検体cDNAとチップ上の相補的な配列を持つ固定DNAと結合する(ハイブリダイゼーション)ことで、検体cDNAに含まれるDNAを特定する。蛍光標識されているため、発現遺伝子とその発現量を検出することができる。現在、目的に応じて種々のDNAチップが用意されている(遺伝子発現解析、SNPs特定、マイクロRNA解析、アレイCGH解析)。

DNAチップを活用した遺伝子発現解析情報は、遺伝子発現プロファイリング(gene expression profiling)と呼ばれ、トランスクリプトーム(特定の状況における組織や細胞中に存在するmRNAや一次転写産物)の環境や疾患による動的変化や網羅的な解析の記述を可能とする。トランスクリプトームを研究する学問をトランスクリプトミクスと呼び、遺伝子の機能解析、疾患メカニズムの解明、新しい治療法の開発などを目的とする。DNAチップを用いた遺伝子発現プロファイリングを行い、疾患の細分化、予後予測などが、多くの疾患で報告されている1,2,3)。)

 

文献

1) T R Golub, D K Slonim, P Tamayo, et al. Molecular classification of cancer : class discovery and class prediction by gene expression monitoring. Science 286 (5439) : 531-537, 1999
2) A A Alizadeh, M B Eisen, R E Davis, et al. Distinct types of diffuse large B-cell lymphoma identified by gene expression profiling. Nature 403 (6769) : 503-511, 2000
3) MJ. Saadh, O Q B. Allela, R A Kareem, et al. Prognostic gene expression profile of colorectal cancer. Gene 955 : 149433, 2025

    

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