第5回 道具を持ったコビト

ノラリ・クラリ(泌尿器科医)


よく喩えに出る話だが,野球の打者にとって,バットは体の一部になっているという。つまり,打者の脳内にはバットの感覚野と運動野が構築されている。ペンフィールドという脳外科医(Wilder Graves Penfield,1891~1976)が脳内の体性感覚野や運動野の地図を作成し,“ペンフィールドのホムンクルス”(コビト)と呼ばれているが,そのコビトはバットを持っているかもしれないのだ(図1)。自分のバットがそのボールに届くかどうか,慣れたバットであればバットの長さも把握していることになる。

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