第17回 集中しすぎないこと

ブックマーク登録

ノラリ・クラリ(泌尿器科医)

脳は予測器官
脳科学の世界では,脳は究極の予測装置という説がある1)。われわれが不自由なく生活したり,活動できたりするのは脳内に今までに構築した自分の環境の記憶と照らし合わせているからであり,外部からのインプットが自分の構築した環境モデルに変化があるかないか,能動的に予測しているというのだ。感覚器からのインプットは多くを受容しているようで,実はほとんど知覚されていないかもしれない。予測通りであれば意識されないからだ。ところが,あなたが自分の部屋に戻ってきて,いつも机の上にあるパソコンがなかったり,いつも閉めっぱなしの窓が少しでも空いていれば,すなわちあなたの予測と異なれば,とたんに何が起こったか知覚され,その原因を考え始めるであろう。

続きを読むには
無料の会員登録 が必要です。

こちらの記事の内容はお役に立ちましたか?