付録:山下清の場合

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ノラリ・クラリ(泌尿器科医)


放浪の貼り絵画家,山下清。「ぼくは,旅をしていろんなものを見てくると,それをあとで絵にするのが楽しいんです」という趣旨の言葉が知られているが,彼にとって,施設を飛び出しての放浪の旅はリスクを冒す行動である。放浪がなければ,多くの作品は生まれなかったに違いない。

 

「リスクを冒さなければ,技術は上がらない」
これは,外科医の世界では当たり前かもしれない。手術は常に,目の前の患者に対する責任と,不確実性と,そして恐れとの対話である。だが,その恐れを理由に一歩を踏み出さなければ,技術は決して深まらない。

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