医薬品開発のための臨床試験である治験は、便宜的に第Ⅰ相試験、第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験(図4-0-1)ならびに市販後に実施される第Ⅳ相試験の4段階に区分されることが多い。
図4-0-1 医薬品の開発過程.
医薬品開発のための臨床試験である治験は,前臨床試験に続き,第Ⅰ相試験,第Ⅱ相試験,第Ⅲ相試験から申請へと進行する.
それぞれの開発相で目的,対象,評価項目が異なる.
実際には複数の相にまたがって実施されるなど、分類が困難な場合も多い。一方で、これらの相は開発の過程を示す時間的概念として理解される。
開発の時期に伴い、臨床薬理試験、探索的試験、検証的試験が順に中心となる。これらを相に対応させると、それぞれ第Ⅰ相試験、第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験に相当する(図4-0-2)。
図4-0-2 開発相と試験の種類.
開発の相と目的別試験の種類との関係を表す.
黒丸はある開発の相で最も一般的に実施される試験を示し,白丸はその相で実施されることが比較的まれな試験を示す.
[平成10年4月21日付医薬審第380号「臨床試験の一般指針」を参考に作成]
試験の種類や実施時期は、治験薬の特性や開発戦略によってさまざまである。たとえば、臨床薬理試験は第Ⅰ相試験として早期に行われることが多いが、第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験の段階で実施される場合もある。また、第Ⅰ/Ⅱ相試験や第Ⅱ/Ⅲ相試験のように、複数の相にまたがる試験も一般的になっている。このため、治験の各相は、試験の特徴や目的の観点から理解することが重要である。
治験には、企業が依頼者となって行う企業主導治験と医師自らが依頼者となる医師主導治験がある。いずれの治験も医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP:Good Clinical Practice)をはじめとする規制を遵守して実施しなければならない。