1.典型的な第Ⅱ相試験
第Ⅱ相試験は、安全性が確認された後、少数例の患者を対象として、薬効、用量、投与方法、さらに適切な効果判定法を探索する試験である。この段階で得られる情報は、その後の検証的試験における対象患者群や用法・用量、評価項目を決定するために極めて重要である。また、早い時期の臨床試験で主に健康成人を対象として得られた安全性データと、患者における安全性プロファイルの違いについても検討される。
初期の探索的臨床試験、いわゆる前期第Ⅱ相試験では、他治療や投与前の状態との比較など、さまざまな試験デザインが用いられる。それに続く後期第Ⅱ相試験は、有効性と安全性を評価するために、ランダム化比較試験として実施されることが多い。この段階では、治験薬の特性を明確にするため、比較的厳しい基準により選択された均一な背景を有する患者集団を対象として、高い精度で試験を行うことが求められる。主な目的に、検証的試験での用法・用量の決定があるため、用量反応関係の検出が重要であり、主に用量漸増デザインあるいは用量比較デザインが用いられる。また、近年増加している国際共同開発における民族差に関して、最も重要な情報は各地域における用量反応の類似性であり、この段階の情報が極めて重要である。
2.探索的段階で行われる試験
典型的な第Ⅱ相試験に先立ち、開発コンセプトを明らかにするために、治験薬の薬理作用やそれに基づく生体反応を少数例の患者を対象に検討するPoC(Proof of Concept)試験やPoM(Proof of Mechanism)試験が実施されることがある。この段階で用いる薬効の評価指標は、必ずしも臨床的な指標と同一である必要はなく、薬理作用を反映するバイオマーカーが用いられることもある。効果と用量の関係は薬効評価において重要であり、この探索的段階の結果から治験薬の特徴がある程度明らかとなる。
3. 抗悪性腫瘍薬のサロゲートエンドポイント
抗悪性腫瘍薬ではサロゲートエンドポイントとして、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)による腫瘍縮小評価(奏効率)が用いられることが多い。RECISTでは①すべての標的病変が消失する完全奏功(complete response:CR)②ベースライン径和から30%以上減少する部分奏功(partial response:PR)、③経過中の最小径和から20%以上増加、かつ絶対値で5mm以上増加。または新病変が出現する進行(progressive disease:PD)、④PRでなくPDでない安定(stable disease:SD)に分類される。CRやPRの割合が高いと抗腫瘍効果が高いと判断され、検証的試験に進む有力なデータとなる。