1. 役割による分類:主要と副次的
1) 主要評価項目/一次エンドポイント (Primary Endpoint)
その研究で一番知りたいことであり、研究の核となる評価項目である。例えば、心不全治療のゴールは生命予後の改善であるため、新しい心不全治療薬の効果を調べる研究なら、「死亡」や「心不全入院」が主要評価項目となる。 研究計画は、この主要評価項目を検討するために設計される。原則として、1つの研究につき1つだけ設定する。
2) 副次的評価項目/二次エンドポイント (Secondary Endpoint)
主要評価項目を補完する目的で設定される評価項目である。主要評価項目ほど重要ではないが、治療法の多角的な評価に役立つ。例えば、上記の心不全研究であれば、「QOL(生活の質)の変化」や「心機能の変化」などが挙げられる。
3) その他の評価項目(臨床試験)
探索的評価項目(Exploratory Endpoint):将来の研究のヒントを得るため、予備的に設定される項目。主要・副次項目以外の新たな知見を見つけるために用いられる。
安全性評価項目(Safety Endpoint):副作用や異常な検査値など、介入による不利益を評価する項目。どんなに効果があっても、安全性が確認できなければ治療法としては認められない。
2.臨床的な意味による分類:真と代替
1) 真のエンドポイント (True Endpoint)
患者の「最終的な健康状態」を直接的に反映する項目である。具体的には、死亡、心筋梗塞や脳卒中の発症などの主要な臨床イベント、ならびにQOLスコアなど医療のゴールに臨床的に直接関わる事象または状態を指標とする。臨床的には最も意味がある一方で、主要イベントの発現までに時間を要したり、必要な参加者数が多くなったりするなどの課題がある。
2) 代替エンドポイント (Surrogate Endpoint)
真のエンドポイントの身代わりとなる項目である。真のエンドポイントと強い相関があり、介入によって変化することが科学的に証明されている指標(バイオマーカーなど)が選ばれる。 例えば、高血圧治療薬の研究において、真のエンドポイントである「脳卒中の発症」を評価するには時間がかかる。そこで、脳卒中のリスク因子である「血圧値」を代替エンドポイントとして評価すれば、測定が容易で、短期間で結果が出るため、新薬の開発段階(早期の有効性評価)などで用いられる。
3.客観性の程度による分類
ソフトエンドポイントは参加者(患者)や医師の判断・意思の影響を受けやすい指標(例:QOL、狭心症、一過性脳虚血発作、入院の要否)である。一方、ハードエンドポイントは判断が入り込む余地の少ない客観的事象(例:死亡、心筋梗塞、脳卒中、検査値)である。ソフトエンドポイントを採用する場合は、事前に評価基準や判定基準を明確化し、原則として非盲検試験では用いない(用いるなら二重盲検等により偏りを抑える)。
4.なぜエンドポイントが大事か
臨床研究において、エンドポイントは研究の「命」とも言える重要な要素である。研究の目的を明確にし、最も適切でシンプルな主要評価項目を決める。それを具体的に、客観的に測定できる指標(発現頻度、スコア、検査値など)で定義する。このステップをしっかりと踏むことが、信頼できる、価値のある臨床研究への第一歩となる。