モニタリングとは
臨床試験におけるモニタリングとは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)上の治験を実施するにあたって遵守すべき要件を定めた医薬品の臨床試験の実施基準(Good Clinical Practice:GCP)、標準業務手順書(Standard Operating Procedures : SOP)、試験実施計画書(プロトコール)などに従って、臨床試験が適切に実施されているかを確認する「品質管理活動」のことで、目的は主に被験者の安全性・権利の保護、GCP・法令、プロトコールの遵守確認、データの信頼性と正確性の確保にある。
1. 被験者の権利・安全性の保護
→ 被験者の体調や副作用の状態を確認し、問題があれば迅速に対応する。
2. GCP・法令・プロトコールなどの遵守確認
→ 許可された試験計画に沿っているかどうか、記録や手続きが法令・GCP基準に準拠しているかを確認する。
3. データの信頼性と正確性の確保
→ 症例報告書(Case Report Form : CRF)と原資料(カルテなど)が一致しているかなど、データ整合性を確認する。
モニタリングの種類
モニタリングには次の種類があり、試験ごとに組み合わせて検討される。
• 現地訪問(オンサイトモニタリング) モニターと呼ばれる専門の担当者が試験実施施設を訪問し、カルテや同意書、記録されたデータを直接確認し、参加者の状況確認や手順通りの試験が行われているかをチェックする。
• リモートモニタリング オンラインシステムを活用して資料や電子データを遠隔で確認する。各サイトから入手されたデータを中央で解析し、傾向や異常値を確認する。なお、現地訪問も組み合わせて対応する場合もある。
• リスクベースドモニタリング:試験デザインやリスクに応じ、重点を置く項目や頻度を戦略的に決定し、確認する。
モニタリングの流れ
1. モニター
→ モニタリングの役割を担う人をモニターといい、GCPに基づき、試験を支える重要な存在となっている。医療や臨床試験の知識を持ち、試験施設とコミュニケーションを取りながら、問題点の早期発見と解決に努めることが主な役割である。
2. モニタリング計画の作成
→ モニターが、いつ、どのタイミングで、どの項目を確認するかを「モニタリング計画書」に記載する。モニタリング業務を外部の医薬品開発業務受託機関(Contract Research Organization : CRO)に依頼する場合もある。
3. 実施前確認
→ 試験実施体制、設備、安全性管理、同意取得の適切さ、などを確認する。
4. 定期的な訪問とチェック
→ 定期訪問により、データ整合性、有害事象対応、プロトコール遵守等を確認し、必要時はフィードバックと是正措置を実施する。
5. 報告書作成
→ モニターは、モニタリング後は「報告書」を作成し、担当責任者へ提出し、内容に基づき改善案が検討・実施され、試験の質が維持される。
6. 試験終了時確認
→ データの整合性チェック、有害事象の確認、文書管理状況などを最終確認する。
モニタリングは、臨床試験の活動であり、被験者の安全とデータ品質を確保するための不可欠なプロセスとなっている。臨床試験が実施されている過程では、定められた基準からの逸脱が発生することがある。この逸脱を未然に防ぐ、あるいはやむを得ず発生する逸脱を最小限にとどめることが重要であり、治験の実施中にこれらの注意喚起、徹底を行って発生・再発防止することは、モニタリングの重要な役割であり、治験の質の向上に寄与するものである。